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動物病院や中小企業の事業承継(買収)について

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事業承継にて譲受(事業を買収)すると、どういうメリットとリスクがあるのでしょうか。

まずはメリットからか検証してみます。
新しい事業や拠点を開発するにはコストと労力と時間がかかります。それらを圧縮できるのは大いなるメリットです。対象となるのは、ハードはもちろん、ソフトたる人材調達、顧客獲得、その商圏や診療圏での信用獲得など、いろんなものがあります。
とくに昨今は人手不足が顕著ですので、現役の即戦力スタッフが揃っている場合は大きなメリットになります。
例えば、新たに人員を採用して戦力になるまで育成する場合は、然るべきコストや労力や時間がかかります。あるいは人材紹介会社から調達する場合、年収の40%ほどの紹介手数料がかかります。それらを回避できることを考えたら、そのメリットの大きさは容易に想像できるでしょう。
既存顧客を引き継げるのであれば、事業承継後に業績が安定して推移することが見込めますので、これもそのメリットを容易に想像できるでしょう。
場所的に商圏や診療圏が被るか被らないかの近隣の距離にある案件であれば、いわゆるドミナント展開になりますので、既存拠点との相乗効果が期待できます。とくに、労働集約型の事業の場合、人員のn数が増えることになりますから、人の融通がきき、相互サポートできるので、組織が安定します。休業日や休診日がある場合は、ドミナント展開していれば、顧客や患者さんを相互サポートすることも可能です。もちろん、仕入れのスケールメリットが出ますので、原価率を下げやすくなります。

一方、リスクに関しても検証してみます。事業承継の金額が適正に評価されているかどうか。これは、その譲渡価額がどのように計算されているかを客観的に検証してみないと、割高に評価されていた場合はリスクになります。ハードの評価は不動産鑑定や買収監査で評価できますので、大きくブレる危険性はそれほど高くないと考えます。しかし、人材や顧客や信用などのソフトの評価は、その業界や現場の実情を熟知していなければ、なかなか適正にジャッジできません。譲渡価額の評価金額が妥当なものだったらよいですが、割高なものだった場合、その業界や現場の実情に基づいて論理的・合理的に交渉しなければ、高値掴みしてしまうリスクが残ります。
さらには、既存スタッフの中のキーマンが事業承継のタイミングで離職してしまうと、労働集約型の事業は少なからずリスクを被ってしまいます。ですから、事業承継の終盤では、売手と買手が密に連携を取り、キーマンが引き続きその職場で活躍できるようにすり合わせをしておく必要があります。

以上のように、事業承継にはメリットもリスクもあります。それらをトータルに判断し、自社にとってメリットが大きいと判断すれば、積極的に買っていくことをお勧めします。

その際、適切なパートナーとアドバイザリー契約を結んで、合理的かつタイムリーに話を取りまとめてもらうことが肝要です。できれば、国が創設したM&A支援機関登録制度の登録を受けている会計事務所に関与してもらったり、その業界や現場に精通しているコンサルタントに相談するのが確実です。このキャスティングが整わないと、リスクが回避できなかったり、後々で「こんななずじゃなかった」というケチがついてしまいます。

事業承継で事業を買いたい方は、一度ご相談ください。

【まとめ】
・買収するときは、まずその企業のノンネーム資料をチェック。
・興味があれば、秘密保持契約を結び、企業概要書の説明を受ける。
・概ね買おうと判断したら、仲介契約を結び、トップ面談へ。
・話が合えば、基本合意書を締結。
・買収資金の調達を画策する。
・仲介者とともに価格の条件交渉。
・買収監査でリスクを洗い出す。
・最終価格をすり合わせる。
・最終契約を締結する。