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動物病院や中小企業のスパンオブコントロール

私の生まれ育った静岡は、徳川家康が幼少期に松平竹千代として過ごした土地です。その竹千代の逸話を子供の頃に聞かされ、今でも印象的に覚えています。

その逸話とは、駿府城から近くの安倍川に赴いた竹千代が、川を挟んで子供同士が石合戦をしているのを観ていたときの逸話です。石合戦の一方は大人数、もう一方は少人数です。どちらが勝つと思うか、家来が竹千代に尋ねました。すると、少人数の方が勝つと竹千代は予想しました。家来が理由を尋ねると、竹千代は自信満々で言いました。「大人数側は油断しており、半分は遊んでいるではないか。残りの半分も、さほど真剣に戦おうとはしていない。一方の少人数側はどうだ。皆が真剣に戦おうとしているではないか。勝つのは少人数側だ。」と。すると、どうでしょう。少人数側が果敢に攻め込み、まさか負けることはあるまいとのんびりしていた大人数側が、バラバラと逃げ出したのです。「なんと、本当に少人数側が勝った!」家来たちは、竹千代の物事を見定める力に感心したのでした。まさに、小が大に勝つという教訓です。

大人数の組織というのは、当事者意識が希薄になりやすく、統率が難しいものです。スパンオブコントロールと言って、統制の限界があり、リーダーが7人以上の部下を抱えると、“烏合の衆”に陥りやすくなると一般的には言われています。

人間の病院でも、統制の限界はよく発生します。「大きな市民病院は待ち時間が長い割にドクターは新人ばかりだから、街の開業医の方がよっぽど腕がいい」という構図が伺えます。余談ですが、以前、健診で市民病院にて私が胃カメラを飲んだ際に、若いドクターとベテランドクターの2人が担当してくださいました。検査中、「金子さん、ポリープがありますから、一部を採取しますねー」と言われました。まな板の上の鯉だった私は、じっと横になっていました。すると、モニターに向かって何かボソボソ話しているのが漏れ聞こえました。ベテランが若手に「違う違う、そうじゃなくてこうだ」などと話しているではありませんか。「あぁ、自分は練習台なんだろうなー」と観念しながら、頭の中では鈴木雅之の「違う、そうじゃない」がリフレインしつつ、涙目で嗚咽に耐えました(笑)。(結局ポリープは何も問題なかったそうですが…)

動物病院の現場でも、統制の限界は例外ではありません。大きな動物病院は、優秀な獣医師の新卒採用が毎年のようにされますが、大切な患者さんを練習台にすることはできませんので、新人はなかなか執刀機会等が回って来ません。差支えのない範囲で新人にOJTのチャンスを与えることで成長しますが、患者さんの満足度は下がりやすくなります。スタッフの練度と患者さんの満足度は相反(トレードオフ)になりやすいので、なかなか悩ましいところです。上手にバランスをとらないと、クレームや医療過誤のリスクが高まります。一方、優秀な若い獣医師ほどOJTの機会が足りないと転職したりします。その結果、人員がよく入れ替わり、現場の練度がなかなか上がらないジレンマに陥ってしまいます。

大所帯になると、一見頼もしい病院に映りますが、肝心なのは、チーム医療の練度です。油断すると、「処置室でエマってるときに、なんでアル綿の補充してるの?」とか、「塗抹をひいて、ぼさーっと立ってないで、他にやることを自発的に探しなよ」とか。大所帯ゆえに、お神輿にぶら下がるような感覚が現場に生まれやすくなりますので、注意が必要です。

この状況は、石合戦だろうが動物病院だろうがコンサルティング会社だろうが同じです。統制の限界は必ずついて回るので、大人数がよいとは限りません。大人数だと責任の所在が曖昧になり、むしろ非効率に陥ります。そのような有象無象にならぬよう独立独歩を重んじ、当社では経験豊富なベテランが一気通貫で直接コンサルティングしています。お陰様でマイペースに繁盛させていただいております。株式会社フクノカミを、竹千代(徳川家康)がみたら、どのように映るのか。安倍川のほとりできいてみたいものです。

話を元に戻します。
統制の限界を克服するには、2通りの解があります。1つは、少数精鋭で肚を括って戦う。もう1つは、〇〇〇と◇◇◇◇で組織を統制して戦う。後者の詳細を知りたい方は、改めてご相談ください。

【まとめ】
・少数精鋭>烏合の衆
・統制の限界はどの世界にも例外なく現れる
・限界を突破できないと、クレームが増える
・限界を突破するには勉強あるのみ