私は子供の頃、シェパードを飼っていました。小学生のときに、父と一緒に警察犬訓練所へ行き、ジャーマンシェパードの子犬を譲ってもらいました。
その訓練所には、自分と同い年くらいの小学生のお子さんがいて、子犬を上手に躾けていました。複数の子犬の中から、一番お利口さんにお座りをしていた子犬を我が家に迎え入れることに決めました。子犬と共にその訓練所を去るとき、訓練所のお子さんが涙ぐんでいたのをみて、申し訳ない気持ちになったのを覚えています。子犬との出会いの嬉しさと一緒に、頭の中では、ドナドナがリフレインしていました。
その子犬を家に連れて帰ると、分離不安から、子犬がクーン、クーンと鳴いていました。訓練所のことを思い出していたのかもしれません。かわいそうだから近寄って抱き上げてあげようとすると、父は私を制止し、「慣れるまでお互いに辛抱しなければいけないよ」と諭しました。
子犬の頃から利発だったその犬は、おすわりやお手はスグに覚えました。しかし、成長するにつれ、私のような素人の子供でも安全に飼育できるように、父はシェパードを訓練所に暫く預け、服従訓練をしてもらうことにしました。お迎えに来た訓練士さんの車の窓からこちらを見ている愛犬の目はとても寂しそうでしたが、仕方ありません。小型犬なら自己流でもよいのでしょうけれど、大型犬は誰かに飛びついたりしたら大変です。人様にご迷惑が掛かったらいけませんので、しばらくの間、我慢しました。
犬と離れている間はとても寂しかったですが、訓練所で服従訓練を受けて帰ってきた愛犬は、見違えるように賢くなっていました。小学生の私でも安全に飼育できるようになりました。調子に乗って、ローラースケートで犬ぞりごっこをして遊んでいました。
ただ、残念なことに、私と私の家族は素人でしたから、愛犬がそれ以上賢くなることはありませんでした。むしろ、日に日に甘えん坊になり、おデブさんにもなり、シェパードの威厳はどこへやら。(屋外で飼育する時代だったこともあり)10年未満で虹の橋に行ってしまいました。私共は、訓練所等でしっかり勉強してから飼えばよかったのかもしれません。
そんな経験から学んだことは、犬を上手に飼育しようと思ったら、飼主自身がしっかり勉強しなければならないということでした。訓練所の子とそのお父さん(訓練士)の元だったら、愛犬は立派な嘱託警察犬になっていたかもしれません。素人の私たち家族の元で、家庭犬としてのんびりと暮らす生活とどちらが幸せかというと、答えは分かりませんが、私共がしっかり勉強していたら、もっと長生きして、もっと豊かなペットライフを共に歩んでいただろうと、今なら自戒を込めて思います。
この教訓は、コンサルティングに活きています。コンサルティングの現場でいろんな提案をし、マーケティングやマネジメントのサポートをするのですが、その際は現場のスタッフ向けというより、経営者である社長や院長向けのコンサルティングを意識しています。犬の躾は飼主教育が大事であるように、会社の経営も、経営者や院長や幹部にガバナンスや執行管理を学んで頂くことが大切だと考えるからです。そして、現場の第一線がスムーズに統制できるように、管理監督者向けにPDCAを回すことを旨としてサポートしています。もちろん、事業規模が大きくなってくると、スタッフ(幹部)向けの研修を交えることもあります。いずれにしろ、上長たる管理監督者の育成を強化した方が再現性が高いと考えています。
経営における専門的なサポートの当社の最上位メニューは、社外取締役としてその企業のコーポレートガバナンスや執行管理をサポートすることです。株式公開するような会社であれば、社外取締役を設置することが会社法で義務付けられていますので、そういう建付けにしています。ただし、中小企業向けの通常の顧問契約であっても、基本的には上記のように普段からガバナンスや執行管理を意識していますので、コンサルティングの本質が大きくブレることはありません。再現性高くマネジメントできるようにサポートしております。
(「コンサルティングメニュー」に関してはコチラをご参照ください)
社外取締役にしろ、顧問契約にしろ、再現性高くマネジメントしたい方は、一度ご相談ください。
【まとめ】
・企業の経営指針や業績向上のための監督をするのが社外取締役。
・社外取締役の任期は2年~6年程度。
・会社・株主の意見を業務執行に適切に反映させる立ち位置。
・上場企業だろうが、中小企業だろうが、マネジメントの本質はブレない。
・(語弊がありますが)飼主教育が大事なように、上長教育が大事。