江戸時代の5代将軍、徳川綱吉は、「生類憐みの令」を制定しました。庶民からは“天下の悪法”として揶揄されましたが、これは生類を憐れみ過ぎてしまったからなのかもしれません。
綱吉公の真意は、荒んだ世の中を変えようとしたかったのかもしれません。時代背景として、経済上の理由で子供を捨てる口減らしが行われていました。また、武士は切り捨て御免と、むやみに人を殺すこともあったようです。つまり、殺生をすることの愚かさを認識させる、いわば人々の意識改革に真意があったと捉えることができます。ただし、大衆との間に温度差があったのでしょう…。
現代社会では、「動物愛護管理法」があります。すべての人が「動物は命あるもの」であることを認識し、みだりに動物を虐待することのないようにするのみでなく、人間と動物が共に生きていける社会を目指し、動物の習性をよく知ったうえで適正に取り扱うよう定めています。
動物を溺愛し過ぎたり、過度な動物愛護は如何なものかと思いますが、人とペットが真に共生する豊かな社会が実現すると、生活に潤いがでてきます。具体的には、犬と人間がアイコンタクトをしてスキンシップをすると、犬にも人間にもオキシトシンという幸せホルモンが分泌されることが、麻布大学の研究で2015年に実証されました。慌ただしくストレスフルな生活を強いられやすい現代人にとって、オキシトシンはまさに癒しそのものでしょう。
獣医療であれば、ペットが健やかに長生きできるようにサポートすることが本懐でしょう。1次診療や2次診療という診療レベルの違いはあれど、その理念は共通している筈です。
トリミングであれば、主に、毛、皮膚、爪、耳などの手入れを行い、衛生管理や健康管理をしつつ、人間との信頼関係を構築するサポートをするのが本懐でしょう。仕上がりの美しさや可愛らしさの甲乙はあれど、その理念は共通している筈です。
やはり、社会不安が高まるときは、ペットの癒しが絶対に必要とされます。「ペットを飼う楽しみを提供できるペットビジネスは、癒しのビジネス」なのです。そのために、私たちは、人とペットの真の共生社会の実現のために、理念を再認識していく必要があると思います。
理念に共感するスタッフが増えてくると、職場が明るくいきいきとしてきます。そのようなスタッフに接するお客様がその理念に共感すると、ファンになってくれます。そして、ビジョナリーカンパニーとして100年繁盛するようになるでしょう。
理念、どうされていますか?
【まとめ】
・ビジョナリーカンパニーには理念が根付いている
・理念が根付けばスタッフが根付く
・理念とスタッフが根付けば、ファンが根付く