株式会社フクノカミの創業原点
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家族的経営
代表取締役の金子男也です。
私どもが大事に思っていること、こだわっていることを、創業原点としてお話します。
株式会社フクノカミがどんな会社なのかを知っていただくうえで、ご参考になればうれしいです。
私は静岡県で商売人の家庭に生まれ育ち、創業オーナーとしてよく働く両親の背中を見て育ちました。
零細企業でしたが、生粋の家族的経営で、従業員の方々や常連のお客様や業者さんたちに恵まれ、商売繁盛している両親を尊敬していました。
社員旅行、人材の採用・育成・のれん分け、資金繰り、周年イベントなど、茶の間の話題が幼少期から経営の話に偏るという環境でした。
経営コンサルタントとして振り返ると、「門前の小僧、習わぬ経を読む」のような幼少期でした。
ある日、家に“福の神”がやってきました。それは、シェパードの仔犬です。その頃は近所にペットショップが無く、警察犬訓練所まで行って、
当時4万円くらい(4は縁起が悪いので4万1千円に上乗せ)で親が買ってくれたことを覚えています。
そして、慌しい商売人の家庭を、犬が和ませてくれました。家内繁盛です。
シェパードに始まり、ゴールデン・レトリバーなどの大型犬が、いつも家にいました。
ローラースケートで犬ぞりごっこしたり、海に行って一緒に泳いだり、楽しかったなあ・・・。
犬にも家族にもオキシトシンが沢山分泌されていたのかもしれません。
小が大に勝つ模索
父親に連れられて観に行った1970年代の映画で、仮面ライダーで馴染みのあった藤岡弘氏が主演の、
大東亜戦争時のゼロ戦の撃墜王の作品がありました。ラバウルのエースパイロット達が善戦しながらも
米軍の物量作戦に凌駕されてしまう葛藤を描いた作品でした。
(百田尚樹さんの「永遠のゼロ」のような作品です)
「小が大に勝つ」にはどうすればよいのか?この問題意識は“門前の小僧”にとても印象的でした。
家業は労働集約型の零細企業でしたので、繁盛しながらも疲れ気味の両親を目の当たりにすると、
どうすれば両親がもっと楽になるのか?いろいろ導いてくれる商売の”福の神”っていないのかなぁ?
と考えていました。
大学卒業後、商社で半導体を扱う仕事に従事しました。
半沢直樹とほぼ同じ時期の「バブル入社組」で、「24時間戦えますか」という感覚で働いておりました。
新入社員の初仕事が上野公園での花見の場所取りでした。
体育会系の縦社会でしたが、面倒見の良い先輩ばかりでした。
(私自身も学生時代は体育会ボクシング部で、先輩に誘われて入社しました)
職場には百戦錬磨のビジネスマンが揃っており、商社マン・社会人としてのABCを叩き込んで頂きました。
半導体は産業の米と言われ、あらゆる工業製品に使われており、様々な現場で半導体をBtoBで売りつつ、
3年間社会勉強させていただきました。
お得意様は最先端だけど、その商社の社風は浪花節。
大手の上場企業でしたが、社歌が「兄弟仁義」。
自由な社風と、共同体組織の強さを併せ持つ、素晴らしい企業でした。
20代前半にそのような企業で働かせていただくご縁に恵まれ、自分は運が良かったです。
その後、家庭の事情で家業をサポートすることになり、零細企業での経営に3年程携わりました。
大手企業のBtoBと零細企業のBtoCは対照的ですが、よい社会勉強ができたおかげで、
小が大に勝つためにはどうすればよいかの理解が進んだように思います。
競合が真似できない独自性を持ち、それを伸展させればよい。
無理に風呂敷を広げずに、安全に経営すればよい。
人の採用で苦戦することは当然(デフォルト)なので、
共同体組織(ゲマインシャフト)で人材育成していけばよい。
などの結論に至りました。
ランチェスター戦略
家庭の事情が一区切りつき、それまでの経験を生かして、好きなことをしようと考えました。
29歳の時に、自分は“経営”が好きであることを再確認し、経営そのものを仕事にしようと考えました。
そして、世界で初めて株式上場した国内最大級のコンサルティング会社に中途入社しました。
天才的な創業者と、素直でプラス発想で勉強好きな先輩たちの世界に入り、
がむしゃらに働かせていただきました。
マーケティングには「強者の戦略」と「弱者の戦略」があるという基本をあらためて学び、
子供の頃から模索していた「小が大に勝つ」に符合しました。
実践経験の答え合わせをするような感覚で経営のイロハを一から学びました。
現場を知らずに理論ばかりを振りかざす似非(エセ)コンサルタントは如何なものかと思いますが、
現場しか知らずに理論の裏付けがないのもどうかと思いますので、理論と実践を統一することに時間を要しました。
そして、上司や同僚や後輩に恵まれ、いろんな業種の経験を積ませていただき、
経営コンサルタントとして成長することができました。
精鋭の集う職場で、自分自身のマーケティングとして、一番になれるモノと場所を探しました。
先輩やライバル会社がやっていない領域で、尚且つ自分の好きなことを仕事にしてやろうと考えました。
いろいろ逡巡しているうちに、子供の頃から家にペットがいて、家内繁盛していたのを思い出しました。
そして、ペットと一緒に過ごす人生のサポートをするようなコンサルタントになれば、
それがライフワークになるのではないかと考えました。
「選択と集中」(弱者の戦略)という観点からも、先輩からGOサインをもらい、
ペットに関連する事業領域に専念することにしました。
ペットショップ、トリミングサロン、トリミングスクール、ペット同伴ホテル、動物病院、ペット霊園などの業種に携わり、
ペットビジネスのゆりかごから墓場まで、現場に寄り添って支援させていただきました。
この戦略がよかったのか、ありがたいことに、リアルでの主催セミナー(有料)の累計参加人数は1000人を突破しました。
2002年に著書「チラシ・DM200%活用の極意」(同文舘出版)を執筆。
2005年に著書「看板商品づくりの法則」(同文舘出版)を執筆。
2017年にVetpeerにて経営コラム執筆。「日経プラス10」にも出演させていただきました。
最終的には一定以上の実績(”上席コンサルタント”の昇格基準)を達成して功労賞を社内で受賞しました。商売繁盛です。
消費者やクライアントのお役に立てたのであればコンサルタント冥利に尽きますが、
それもこれもサポートしてくれた上司、同僚、後輩、家族、(虹の橋で待ってくれている)ペットのおかげであり、
実績を残すことで些少なりとも恩返しになったかな?と達成感に浸ることができました。
100年の計
そんな折、父が80代で鬼籍に入りました。様々な形でサポートしましたが、父が創業した家業は第三者に事業承継することになりました。
零細企業ながら半世紀も繁盛し、事業承継が成就したのですから、改めて家族的経営の根強さを再確認し、いろいろと学びました。
古き良き家族的経営の長所は、「チームづくり」と「生産性」のバランスを整えやすい点だと思います。
昨今はどんな職場でも心理的安全性が求められていますが、裏を返すと「生産性」を過度に追及した場合の脆弱性を示唆しています。
”門前の小僧“として半世紀ほど家業を見守ってきた経験から、古き良き家族的経営の長所を伸展し、令和にアップデートできたら、
中小企業は100年繁盛するだろうと実感しました。
働き方改革×生産性改革
2019年以降、世の中に働き方改革とリモートワークが一気に浸透しました。
私自身も「生産性」がよくなっているメリットを実感しました。
それと同時に、「チームづくり」の醸成が困難になるというジレンマも肌で感じました。
人材を育成するにしても、何をするにしても、時短やオンライン化や効率化には限界があります。
やはり、現場第一線の個別対応で、然るべき時間を投下した「チームづくり」が必要です。
禅問答のようですが、無駄を省き過ぎると、チャンスやご縁も失って、逆に非効率に陥ってしまうものです。
働き方改革×生産性改革は世の中全体的な時流ですので、なかなか根が深いですが、
クライアント ど真ん中で考え、「チームづくり」と「生産性」のバランスを上手に最適化できないだろうか?
古き良き家族的経営の長所に学び、令和にアップデートできないだろうか?
大企業もいいけど、まずは中小企業からでも実践すべきでは?
などの課題をいろいろと自問自答しました。
フクノカミ
たられば言ってもはじまりません。このジレンマも必要必然です。
令和版の家族的経営で「チームづくり」をし、「生産性」を高めていこう。
中小企業が100年繁盛する仕組みづくりのサポートをしよう。
習熟度別に個別対応のコンサルティングを提供しよう。
そのためには、柵のない環境でコア業務に集中しよう。
そう考えて、20年以上働かせていただいた会社に感謝し、
恩師(創業者)のお墓参りをして、
2020年に円満退社しました。
五十にして天命を知るような心境です。
幼少期から「いろいろ導いてくれる福の神っていないのかなぁ?」と思っていましたが、
三つ子の魂百まで。
株式会社フクノカミを起業しました。
大好きなペット(福の神)のおかげで家内繁盛・商売繁盛しましたので、
次は人生繁盛にチャレンジするぞとワクワクしています。
人とペットが本当に共生する幸せな社会が広がっていくことに、
些少なりともお役に立てば幸いです。
ありがとうございます。